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りんごの木

今年もりんごの木の季節。
佐藤農園さんと、赤石農園さんからりんごの木を分けていただきました。

佐藤さんのりんご園。
岩木山の麓。
もう花が咲き始めたりんごの木。
シロウトが園を見るだけなら、わあ咲いてるきれい、で済むけど、今年は早すぎると心配していました。
雪がとけて、春になったこの時期、剪定とは別に、木そのものを切ることがあります。
木と木の間を広げて、育ちやすくしてあげるために、木を切ったり。
改植のような、品種を入れ替えるために切ったり。
実をつける力がなくなった木を切ったりと、いろんな理由から切らなければならない木がでてきます。
毎年、この時期に、声をかけていただいて、倒した木をいただきにいくのです。

りんごの木をつかうにあたって、ずっと思っていたことがあります。
りんごの木を買うか、もらうか。
初めは買えるようなとりくみにして、どんどん使って、お金がまわるような仕組みにならないかと、理想をかかげていました。
でも、昨年、ある農家さんとの中で、この丸太をいくらにするかという話になりました。
そこで、僕はいくらで買いますという値段を決めることができませんでした。
お父さんの代から大切に育ててきたりんごの木に、値段をつけることの難しさ。
そして、商品を作ろうと思った時の仕入れ値という現実的な額。
はたと悩みました。
その時は、こういうものを作っていると現物をみていただいて、すごくよろこんでくださって、じゃあ使ってと、いただくということになりました。
佐藤さんも赤石さんも薪になって、燃えてなくなるよりも、何か形にしてのこるようなことに使ってほしいとこころよく分けてくださいます。
りんごの木の価値について1年間いろいろ考えました。
そして、今年。
まずはあまり大風呂敷はひろげず、こうやって知り合えた近い世代の若い農家さんと、自分ができる範囲のことでりんごと関わっていこうと。
そして、やっぱりりんごの木に値段つけるのはやめようと。
お金のかわりに何があるか。自分ができることは、やっぱり作ることだと。
ささやかなものだけれど、いただいたりんごの木で、いいものを作ってお礼をしようと思いました。
今年はカッティングボードを作りました。
りんごの木は本当に綺麗です。
それは、やっぱりこうやって大切に育てられているからなんだと思わずにいられません。
ありがとうございました。

そのりんごの木を板に製材するために、青森の盛興業社製材所へ。
今年で3回目のりんごの製材。
どんなことになるかお互いだいたい想像できるようになってきました。
こういう小さくてクセがある材を製材してくれるところって、なかなか無いのですが、いつも無理をきいてくれてありがたいです。
王林と千秋。
どんな目がでてくるか楽しみです。