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解決方法

お客様から、踏み台を作ってほしいとの連絡をいただいて、お客様のもとへ。
床の間に「掛け軸」を掛けるときに、掛け軸のサイズに応じて、掛ける高さを変えるために使われる「軸吊り」という金具があって、それを天井近くのフックにかけるために、踏み台を作りたいとのことでした。

実際に現場でお話をしているうちに、なんだかこれは踏み台ではないなぁという気がしてきました。
毎週ひらくお茶の会のたびに、掛け軸を掛けるそうですが、ご高齢のお客様が、そのたびに椅子くらいの高さになる踏み台を運んできて、手すりを付けたり、広くしたり、折りたたんだりと、それ用に作るにしてもそれなりに狭い踏み台の上で、天井近くを見上げて、作業して、終わったらまた踏み台を運んで…と、なんだか大変そうですね、ということになりました。
そこで、こういうのはどうでしょうかと、作ってみたのがこれです。

踏み台には乗らずに、床から軸吊にアクセスする道具を作りました。
先端をしゅっと金具の先端に差し込むと、程よくホールドしてキャッチできる仕組みで、そのままフックから取り外して、金具の高さを調整して、またフックにかけることができます。
お客様もなんなく作業することができたようで、大活躍しているとのことでした。

初めにいただいたご依頼と、解決方法が違ってくるというのは、よくあります。今回も折りたたみ式手すり付きのご高齢の方向け踏み台を、スペシャルオーダーでおつくりすれば、かなりの額のお仕事となったとは思いますが、違うなぁということに正直に、もっといい解決がないか考えたすえ、よい結果を得られた良い例だったと思います。
ちょっと商売っ気がないんだよなぁと思うところはありますが、こういうのは、やっぱりいいよなぁと思うわけです。