あきらめず
- posted 12月 8, 2015
今日はちょっと長いですよ。マニアックなお話しかもしれません。
先日お客さんに座っていただいた椅子。
以前作らせていただいているこの椅子がベースになっています。
実際に座っていただいて、お客さんの体と合わせていくうち、ずいぶん脚を短くすることになりました。
僕は椅子は小柄な方、特に女性にある程度合わせて作るのがいいと思っています。今回もそのようなことで、小さ目の椅子となりそうです。
背の位置や形、脚の幅など、微調整をかさねて、なんとかおさまりがよいところまできたところ。
ですが。
当初もくろんでいた椅子のイメージから離れて、ずいぶんかわいらしい椅子になったように感じました。
ここでやめとくか、もっと考えるか。
お客さんと当初から話をしていた家具に対する考え方や、イメージから離れたなぁと、どうしてもピンとこず、あきらめずもう少し考えてみることに。
全体に丸っこくて、あまい感じを、もう少し大人っぽくしたいなぁと。
まず座面から。
角のRを正Rから、手描きでやや四角くみえるように意識して。
ずいぶん印象が違って見えてきました。
そして背板の大きさやRの大きさを考えていきます。
上の椅子の背板の長さが42cm。これを思い切って大きくしてみます。
振るときは思い切って。45cm。
全くちがう印象。
ちょっと大きいかなぁ、どうかなぁと腕を組みつつも、これでいいんじゃないかなぁと半分納得し、かみさんに相談。
前の日も、ずいぶんかみさんと議論して、難しいねぇみたいなことを話していました。
少し期待しつつ、どう? ・・・即答じゃない時は今一つ・・・。うん、いいんじゃない?の一言は出ず。
疑問に感じてることは、やっぱり素直に結果に表れる・・・。
ちょっと大きいかなぁというより、もう少し小さいのも見ないとわからないかな、という結論となり、段階的に小さいものを作ってみる。
うちは、基本的にかみさんOKが出ないと・・・いやいや、二人ともいいなぁと思わないと、だめというのが、僕の中のルール。
ここで二人ぐらいの意見が合わないものが、外にでてもいいものなわけがない。
で。
44cmと。
43cm。
微妙な違いだけれど、印象はすこしずつ違って見えます。
横に多少伸びたぐらいでは、すわり心地はほとんど変わらないけれど、こういう見た目の印象の違いが、どこで、だれが、どんなふうに、どのくらいの間使っていく椅子なのかをデザインしていくうえで、すごく大事なように思っています。
さて、どれにするか。いまのところ45cmくらおおぶりでもいいかなぁと7割思いつつ。大人げないかなぁどうかなぁで44cmと迷っています。
ちなみに46cmは大人げなかった・・・。
毎回こんなことを繰り返しています。
2番目に見ていただいた、ベースになっている椅子も、こういうことをかなりやりました。
それの脚を5cm切っただけで、このくらい後戻りするんだから、椅子ってやっぱり難しいです。
それでも大分よい感じになってきました。あとひといき。